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IT融合促進セミナー

[F1] IT融合促進セミナー「ITと異分野の融合がもたらすイノベーション」

水田 秀行 氏水田 秀行 氏

岡島 正純 氏岡島 正純 氏

谷口 和弘 氏谷口 和弘 氏

【開催日時】
10月25日(金)
15:00~16:30
【開催会場】
広島市南区民文化センター 3階 大会議室AB
【共催】
ひろしまIT融合フォーラム
【講師】

日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所
主任研究員 水田 秀行 氏

広島市立広島市民病院
副院長 外科部長 医療支援センター主任部長 岡島 正純 氏

広島市立大学 大学院情報科学研究科
講師 谷口 和弘 氏

【講演内容】

水田 秀行 氏 [講演時間 15:00~15:40]

演題:「大規模交通シミュレーションによる都市計画支援 ~IT融合によるスマーターシティの実現に向けて~ 」

ICTを活用し、より賢く快適な都市を実現するスマーターシティプロジェクトにおいては、シミュレーション技術が重要な役割を持ちます。都市に住む膨大な人間の活動は複雑に絡み合っていて、数式で表現したり予測することが難しい問題です。エージェントシミュレーションでは、こうした人間の活動を多様なエージェントによってモデル化し、その時々刻々の動きをコンピューターシミュレーションによって再現します。
今回ご紹介する交通シミュレーションでは、都市規模の数百万台の車両をコンピューター上で動かす大規模エージェントシミュレーション基盤技術と膨大な実データを解析し、運転者の個性モデルを構築する数理科学技術を用いています。
広島市との連携により実施した『人と環境にやさしいまちづくりプロジェクト』における実証実験として、交通規制や高速道の開通に伴う交通状況の変化を交通シミュレーションを用いて解析した事例を紹介いたします。

岡島 正純 氏 [講演時間 15:40~16:05]

演題:「医工連携の推進力~広島発高齢者見守り支援システム開発プロジェクト」

最前線で医療を行っている医師は日々の臨床で生じる様々な問題点を抱え、時としてこれらに関わる数々のアイディアを持ちながら、それが工学研究者の耳に届くことは少ない。医工連携の推進とは、すなわち医工の風通しを良くするとともに有機的にも強くひきつけあう環境づくりだと考える。私どものプロジェクトはこの両領域の連携とともに産業も加わり、さらに行政の支援を受けてこれらの連携がより強固となっている。本プロジェクトを通じてよりよい高齢者見守りシステムを構築するとともに「医工連携の推進力」となる人材育成、言い換えれば、「工学マインドを持った医療人」や「医学マインドを持った工学研究者」を育成したい。特に後者は必須で、この人材が医療現場と工学研究の接着剤となり、扇の要となる。医療従事者、工学研究者、さらに産業界の目利きが自然に集う「医工連携スクエア」、広島市にこの拠点ができつつある。

谷口 和弘 氏 [講演時間 16:05~16:30]

演題:「広島発高齢者見守り支援システム開発プロジェクト」

企業、病院、大学、そして自治体等が連携し、高齢者が健康で、その能力を発揮し、生きがいを感じ、安心して暮らせる高齢社会を実現するための医用ビッグデータを用いた高齢者見守り支援システムの研究開発を行っています。
具体的には、耳に装着するワイヤレス外耳デバイス(ウェアラブルPC)に咀嚼、せき、心拍、体温等の生活情報・医療健康情報を検知するセンサを内蔵しており、これらの情報をスマートフォンを経由して医療情報データベースに送信・蓄積し、家族や見守り者、高齢者本人、医療機関が、高齢者の見守りや健康管理に活用します。
このようなシステムを開発するとともに、製品等の開発を通じ、高度なものづくり技術を有する自動車関連企業や、ICT系企業の医療・福祉関連分野への参入を促進します。

【プロフィール】

水田 秀行 氏

1997年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。同年、日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所入所。主任研究員。
エージェントベース・アプローチによる人工マーケットやオークション、国際排出権取引市場といった複雑適応系における社会シミュレーションの研究開発に従事。また、サービス・サイエンス(Service Sciences, Management and Engineering)と呼ばれるサービス産業にイノベーションをもたらすための新しい学問領域のための活動や複雑系ネットワークによる組織解析等の研究にも従事。
現在は大規模交通シミュレーターを用いたスマーターシティの研究に取り組んでいる。
情報処理学会、ACM会員

岡島 正純 氏

1989年広島大学大学院
2005年広島大学大学院 内視鏡外科学講座 教授
2010年 広島大学病院 特任教授
2011年広島市立安佐市民病院 外科部長、広島大学 客員教授

日本外科学会 専門医、指導医、日本消化器外科学会 専門医、指導医、日本大腸肛門病学会 指導医、専門医、日本内視鏡外科学会 内視鏡外科技術認定医
大腸癌研究会 世話人、日本コンピューター外科学会 理事、単孔式内視鏡手術研究会 代表世話人、アメリカ外科学会 フェロー

内視鏡手術を中心とした低侵襲(患者さんに優しい)手術は、日本導入の草分けのメンバーとして活動。現在も単孔式内視鏡手術研究会 代表世話人として、日本全国の病院に最新の低侵襲手術(単孔式内視鏡手術、ロボット手術)の導入を推進している。

谷口 和弘 氏

2008年 大阪大学 大学院基礎工学研究科 修了
2006年 大阪大学 大学院工学研究科 特任研究員
2009年 東京大学 大学院工学系研究科 特任研究員
2010年 工学院大学 グローバルエンジニアリング学部 准教授
2011年 大阪大学 産学連携本部脳神経制御外科学 特任講師
2012年 広島市立大学 大学院情報科学研究科 講師

医用ロボットやウェアラブルコンピュータシステムなどの研究に従事し、現在、単孔式内視鏡手術支援ロボット(広島市民病院との医工連携)、高齢者見守り支援システム(広島市民病院との医工連携、広島市との学官連携)の実用化を研究

第9回公益社団法人計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 SI2008優秀講演賞、The Finalist of Best Conference Paper Award of the IEEE ROBIO2007 Conferenceなどを受賞